腰痛は脳の勘違い
こんにちは!
戸塚ぬくもりの家整体院の綿引です。
毎日、腰痛患者さんを施術していると色々考えさせられます。
簡単に一回で治る人、くり返し施術が必要な人。全員一回で痛みがなくなればいいのですが、心と身体の不調の総合結果が「痛み」なので、そうは問屋が卸しません。
「ストレス」や「心理的な問題」が痛みを長引かせる原因になっているのですが、そんなことを言ってもみなさんには信じてもらえません。
「私が痛いのは『腰』なんだからストレスは関係ない」「ストレスはありません!」または、説明を聞いても「??」みたいな反応のことが多いです。
無理もないと思います。だって痛いのは腰なんだから腰を治療すれば治ると思うのが当然です。しかし、身体は触れなくても色々な反応を起こします。そこで、「身体に触れなくても身体は色々な変化を起こす」ということをまずは実感してみてください。
こちらの写真をご覧ください。
新鮮な黄色いレモンの写真です。実際は食べていないのに写真を見ただけで唾液が出てきませんか?
さらに、もうひとつ
梅肉エキスたっぷりの酸っぱそうな梅干しの写真です。これも実際は食べてませんがイメージしただけなのにツバが出てきますよね。
私たちの身体は過去の経験に基づいて色々な反応を示します。
重要なことは記憶しておかないと命に関わることもあるからです。炎を見て熱い、触ると火傷すると分かるのは脳の記憶のおかげです。ストーブも触ると火傷するということを知っていますよね。
ケーキを見て甘くて美味しい食べ物と分かるのも記憶のおかげです。経験したことが自分にとって重要なことかどうかで「記憶」されるかされないかは変わってきます。個人差ですね。
次にこちらの写真をご覧ください。
重そうな荷物を持っている写真です。重そうですね、腰が抜けそうです。
腰痛のない健康な人が見ればただの写真ですが、過去にぎっくり腰を経験した人や現在も腰痛で悩んでいる人が見たら、腰に重だるさを感じるかもしれません。ジワジワ痛みがぶり返したらごめんなさい。<m(__)m>
実は、脳は現実とイメージの区別がつかないのです。
写真を見るだけで、脳の中では、実際に痛みの刺激を受けた時と同じ場所が活性化することが分かっています。身体は脳がイメージした通りに反応するのです。これが、脳のすごいところでもあり、やっかいなところです。
最新の腰痛研究で、腰痛患者さんが抱く「痛みへの恐怖」が、脳の中で痛みの回路の興奮を鎮める場所DLPFC(背外側前頭前野)の働きを抑制することがわかってきました。DLPFCは「恐怖、悲しみ、不安」などの負の感情をコントロールする役割もあります。
いつまでも痛みが続けばストレスは大きくなりますよね。治療院に通っても一向に治らなければ「本当に治るの?」と不安になりますよね。そういった負の感情の積み重ねがDLPFCの働きを低下させて、痛みの興奮が続いてしまうのです。これが痛みが長引くメカニズムの一つと考えられています。
まだまだ分かってないことはたくさんありますが、痛みは構造的な異常(損傷、変形、歪みなど)が原因で起こり、その程度は構造異常の大きさによって比例する訳ではありません。「ストレス」や「心理的な問題」が大きく関係しているのです。
戸塚ぬくもりの家整体院では、「一発で治しますよ!」みたいな安請け合いはしません。しっかり痛みのメカニズムを説明して、患者さんの治らない痛みに真摯に向き合います。一日も早く痛みから解放されることを本気で願っています。
もっといい施術がしたいです。今日も一日元気を出して頑張りましょう!!
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