痛みは不思議

痛みには「感覚」と「情動」の二面性があります。

「感覚」とはケガなどで傷がジンジン、ズキズキと痛む感覚のことです。
「情動」とは簡単に言うと喜怒哀楽の感情のことです。

初めて聞く人もいるかもしれませんが、実は「情動」によって痛みは強くなったり、抑えられたり変化します。

例えばボクシングの試合中はボコボコに殴り合いますが、選手はほとんど痛みを感じていません。普通ならあんなに殴られたら痛くて仕方ありません。しかし、試合中の選手は「負けられない」という強い闘争本能が働いて短期的なストレスを感じています。その時、身体の中では痛みを抑制する物質のオピオイドが、細胞に存在するオピオイド受容体(正常な場合、炎症時にはオピオイド受容体が増加します)と結合するため自己鎮痛が起きています。これをストレス鎮痛と呼びます。「ランナーズハイ」も同じ仕組みです。

喜怒哀楽の感情の変化と共に体の中では様々な化学反応が起きているため、逆に自己鎮痛システムが働かなかったり、痛みを増強するような化学反応が起きれば、炎症などの痛みの原因が治っても痛みはずっと続いてしまうのです。

慢性痛の悩み

痛みの原因を「背骨の歪み」「骨盤のズレ」「炎症」「ヘルニア」だけでは説明できないことが分かると思います。治らない理由も。本当に痛みは複雑です。

子供の頃にお母さんに「痛いの痛いのとんで行け~」と優しく言われて痛みが軽減した経験はないですか?これも情動による鎮痛です。

情動」は慢性痛を改善するための重要なキーワードです。

痛みが長引いている人は参考にしてみてください。



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